【第四弾】Laravel入門資料
- Windows環境構築
- Mac環境構築
- Laravelとは
- ルーティング
- ビュー
- コントローラ
- マイグレーション
- モデル
- ここまでの知識の実践
- 検索・フィルタ
- ソフトデリート
- ページネーション
- 画像アップロード
- 認証ライブラリ
- 認証実装
- ミドルウェア・ロール
- 総合実践
Mac環境構築
Laravel開発を始めるために、必要なツールをインストールしていきます。
ここでは、Mac環境を前提としています。
📦 インストールするツール
- ✅ VSCode - コードエディタ
- ✅ Node.js と npm - JavaScriptランタイムとパッケージマネージャ
- ✅ Git - バージョン管理システム
- ✅ Docker Desktop for Mac - コンテナ環境
- ✅ Claude Code - AI開発アシスタント
- ✅ Sequel Ace - データベース管理ツール
VSCode のインストール
Visual Studio Code(VSCode)は、Microsoft が提供する無料のコードエディタです。
軽量ながら強力な機能を持ち、世界中の開発者に愛用されています。
インストール手順
- 公式サイトにアクセス: https://code.visualstudio.com/
- 「Download for Mac」ボタンをクリック
- ダウンロードした
.zipファイルを解凍 Visual Studio Code.appを「アプリケーション」フォルダに移動- アプリケーションフォルダから VSCode を起動
インストール確認
VSCode が正常に起動できれば OK です。
PHP Intelephense のインストール(推奨)
PHP Intelephense は、PHP 開発を強力にサポートする VSCode 拡張機能です。
Laravel 開発において、コード補完・エラー検出・型チェックなどを提供します。
- VSCode を起動
- 左側のアクティビティバーから「拡張機能」アイコンをクリック(またはショートカット:
⌘+Shift+X) - 検索バーに「PHP Intelephense」と入力
- bmewburn 作の「PHP Intelephense」を選択
- 「インストール」ボタンをクリック
✨ Intelephense でできること:
- • 高速なコード補完:クラス名・メソッド名・変数名の自動補完
- • 型推論:Laravel のファサードやヘルパー関数の型も正確に推論
- • エラー検出:構文エラーや型エラーをリアルタイムで検出
- • 定義ジャンプ:クラスやメソッドの定義元へ瞬時に移動
- • リファレンス検索:関数やクラスがどこで使われているか検索
- • リファクタリング:変数名やメソッド名の一括変更
💡 Intelephense をインストールすると、Laravel の開発効率が劇的に向上します。
⚠️ 既に他のエディタをインストール使用している場合は、そちらで進めても構いません
Homebrew のインストール
Homebrew は Mac 用のパッケージマネージャです。
以降のツールをインストールする際に使用するため、まず Homebrew をインストールします。
Homebrew がインストール済みか確認
ターミナルで以下のコマンドを実行:
brew -v
バージョン番号が表示されれば、既にインストール済みです。次のセクションに進んでください。
⚠️ 既にインストール済みの場合は、以下のインストールコマンドを実行する必要はありません。
Homebrew のインストール
バージョン番号が表示されない場合のみ、以下のコマンドでインストールします:
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
インストール中、パスワードの入力を求められることがあります。Mac のログインパスワードを入力してください。
インストール確認
brew -v
バージョン番号が表示されれば成功です(例: Homebrew 4.2.0)
Node.js と npm のインストール
Node.js は JavaScript をブラウザ外で実行するためのランタイム環境です。
npm(Node Package Manager)は Node.js に付属するパッケージ管理ツールで、Laravel のフロントエンド開発で使用します。
Homebrew でインストール
brew install node
このコマンドで、Node.js と npm が同時にインストールされます。
インストール確認
ターミナル(またはVSCodeの統合ターミナル)で以下のコマンドを実行:
node -v
バージョン番号が表示されれば成功です(例: v20.11.0)
npm -v
npm のバージョン番号も表示されます(例: 10.2.4)
💡 Homebrew を使うことで、アップデートも簡単に行えます:brew upgrade node
Git のインストール
Git は、ソースコードのバージョン管理システムです。
コードの変更履歴を管理したり、チーム開発で必須のツールです。
Homebrew でインストール
brew install git
インストール確認
git --version
バージョン番号が表示されれば成功です(例: git version 2.42.0)
初期設定
Git の初期設定を行います:
# ユーザー名を設定
git config --global user.name "あなたの名前"
# メールアドレスを設定
git config --global user.email "your.email@example.com"
# 設定確認
git config --list
Docker Desktop for Mac のインストール
Docker は、アプリケーションをコンテナという単位で実行する仮想化技術です。
Laravel の開発環境を簡単に構築・共有できます。
インストール手順
- 公式サイトにアクセス: https://www.docker.com/products/docker-desktop/
- 「Download for Mac」をクリック
- お使いの Mac のチップに応じて選択:
- Apple Silicon(M1/M2/M3/M4/M5などMシリーズ)の場合: 「Apple Chip」
- Intel Mac の場合: 「Intel Chip」
- ダウンロードした
.dmgファイルを開く Docker.appを「アプリケーション」フォルダにドラッグ- アプリケーションフォルダから Docker Desktop を起動
- 初回起動時、利用規約に同意
インストール確認
Docker Desktop が起動し、メニューバーに Docker アイコンが表示されれば成功です。
ターミナルでも確認できます:
docker --version
バージョン番号が表示されれば OK です(例: Docker version 24.0.6)
docker compose version
Docker Compose のバージョンも確認できます(例: Docker Compose version v2.23.0)
💡 Docker Desktop は常に起動しておく必要があります。開発時は自動起動設定をオンにしておくと便利です。
Claude Code のインストール
Claude Code は、Anthropic が提供する AI 開発アシスタントです。
コード生成、リファクタリング、デバッグなどを AI がサポートしてくれます。
⚠️ 重要:プロプランより上のプランへの加入が必要です。従量課金の場合はサブスクリプションプランへの加入は不要です
Claude Code を使用するには、Claude.ai の Pro プラン(有料)より上のプランへの加入が必要です。
無料プランでは使用できませんのでご注意ください。
プランの詳細: https://claude.ai/upgrade
💡 API を使用する場合:
Claude API を直接使用する場合は、サブスクリプションプランへの加入は不要です。
API は従量課金制で利用できます(クレジットカード登録が必要)。
npm でインストール
ターミナルで以下のコマンドを実行します(Node.js 18 以上が必要):
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
-g オプションで、グローバルにインストールされます(どのディレクトリからでも使用可能)。
初回セットアップと起動
インストールが完了したら、プロジェクトディレクトリ(またはホームディレクトリ)で以下のコマンドを実行:
claude
Claude.ai での認証が求められます。ブラウザで認証してください。
認証が完了すると、Claude Code のインタラクティブセッションが開始されます。
基本的な使い方
Claude Code では、以下のようなコマンドが使えます:
/help- 利用可能なコマンド一覧を表示/login- アカウントを切り替える- 質問やリクエストを直接入力 - 例:「このプロジェクトの構造を教えて」
💡 Claude Code でできること:
- コードの生成・修正
- バグの発見と修正
- コードの説明
- リファクタリングの提案
- ファイルの読み書き
- プロジェクト全体の分析
✅ 初回ログイン後は、認証情報が保存されるため、次回からは claude コマンドだけで起動できます。
Sequel Ace のインストール
Sequel Ace は、MySQL/MariaDB データベースを管理するための GUI ツールです。
テーブルの中身を確認したり、SQL を実行したりできます。
インストール手順
- 公式サイトにアクセス: https://sequel-ace.com/
- 「Download」ボタンをクリック
- ダウンロードした
.zipファイルを解凍 Sequel Ace.appを「アプリケーション」フォルダに移動- アプリケーションフォルダから Sequel Ace を起動
代替ツール
Sequel Ace 以外にも、以下のようなツールがあります:
- TablePlus - 有料だが高機能(無料トライアルあり)
- DBeaver - 無料でオープンソース
- phpMyAdmin - Web ベースの管理ツール
💡 データベース接続情報は、Laravel プロジェクトを作成した後に設定します。今はインストールだけで OK です。
環境構築の確認
すべてのツールが正しくインストールされたか、最終確認をしましょう。
ターミナルで確認
# Node.js
node -v
# npm
npm -v
# Git
git --version
# Docker
docker --version
# Docker Compose
docker compose version
すべてのコマンドでバージョン番号が表示されれば、環境構築は完了です!
✅ インストール完了チェックリスト
- □ VSCode が起動できる
- □
node -vでバージョンが表示される - □
npm -vでバージョンが表示される - □
git --versionでバージョンが表示される - □ Docker Desktop が起動している
- □
docker --versionでバージョンが表示される - □ Claude Code にログインできる
- □ Sequel Ace が起動できる
Laravelプロジェクトの立ち上げ
環境構築ができたので、実際にLaravelプロジェクトを立ち上げてみましょう。
この講座では、講師が用意したプロジェクトテンプレートを使用します。
GitHubからプロジェクトを取得する
講師のGitHubリポジトリ:
https://github.com/sbtest1218-oss/udemy-aws3-laravel-new
手順:
- 上記のGitHubリポジトリにアクセス
- 「Use this template」ボタンをクリック
- 自分のGitHubアカウントにリポジトリをコピー(リポジトリ名は任意)
- 必ず「Public」を選択してリポジトリを作成
- コピーしたリポジトリのURLをコピー
⚠️ Privateリポジトリにする場合
リポジトリをPrivate(非公開)にする場合は、以下が必要になります:
- • SSHキーの設定(GitHubアカウントに公開鍵を登録)
- • または、HTTPSクローン時に認証トークンの使用
- • チーム開発の場合は、メンバーへのアクセス権限の付与
💡 初心者の方は、まず「Public」で始めることをおすすめします。
ターミナルで、プロジェクトを配置したいディレクトリに移動して、以下を実行:
# 例: Documentsディレクトリに移動
cd ~/Documents
# リポジトリをクローン(URLは自分のリポジトリのURLに置き換える)
git clone https://github.com/あなたのユーザー名/リポジトリ名.git
# クローンしたディレクトリに移動
cd リポジトリ名
環境変数ファイルを準備する
.env.example をコピーして .env ファイルを作成します:
cp .env.example .env
💡 .env ファイルには、データベース接続情報などの設定が含まれます。
このファイルの値は docker-compose.yml で使用されます。
Dockerでプロジェクトを立ち上げる
Docker コンテナを起動します:
docker compose up -d
-d オプションで、バックグラウンドで実行されます。
コンテナが起動したら、appコンテナに入ります:
docker compose exec app bash
コンテナ内でLaravelをインストール:
composer create-project laravel/laravel:"^12.0" .
⚠️ 最後の .(ドット)を忘れずに!これは「現在のディレクトリにインストール」を意味します。
📌 バージョン指定について
動画では composer create-project laravel/laravel . でLaravel最新版を取得していましたが、
この資料では laravel/laravel:"^12.0" とバージョンを指定しています。
💡 理由: バージョンを指定しないと、将来Laravel 13、14などがリリースされた際に、
最新バージョンが自動的にインストールされ、動作が変わってしまう可能性があるためです。
"^12.0" と指定することで、Laravel 12系の最新版(12.0、12.1など)をインストールし、
メジャーバージョンアップ(13.0など)は自動的にインストールされないようにしています。
インストールが完了したら、一旦コンテナから出ます:
exit
Laravelのデータベース設定を編集する
src/.env ファイルを開いて、データベース設定を編集します。
VSCodeでファイルを開く:
code src/.env
以下の部分を探して、値を変更します:
DB_CONNECTION=mysql
DB_HOST=db
DB_PORT=3306
DB_DATABASE=laravel
DB_USERNAME=udemy123
DB_PASSWORD=pass123
💡 これらの値は、docker-compose.yml で定義されているデータベースコンテナの設定と一致している必要があります。
設定を反映させるため、Dockerコンテナを再起動します:
# コンテナを停止(データベースも削除)
docker compose down -v
# コンテナを再起動
docker compose up -d
データベースのマイグレーション
再度appコンテナに入ります:
docker compose exec app bash
データベースのテーブルを作成します:
php artisan migrate
マイグレーションが成功したら、ブラウザでアクセスしてみましょう:
http://localhost
✅ Laravelのウェルカムページが表示されれば成功です!
🎉 よく使うDockerコマンド
docker compose up -d- コンテナを起動docker compose down- コンテナを停止docker compose down -v- コンテナを停止してボリュームも削除docker compose exec app bash- appコンテナに入るdocker compose ps- 起動中のコンテナを確認docker compose logs- ログを確認exit- コンテナから出る
よくあるトラブル4選と対処法
プロジェクト立ち上げ時によく遭遇するトラブルと、その解決方法を紹介します。
❌ トラブル1:ポート番号が被っている
エラー例:
Error: bind: address already in use
Error: Ports are not available
Error: driver failed programming external connectivity: port is already allocated
原因:
既に他のアプリケーションが同じポート番号(80番や3306番)を使用している。
解決方法:
docker-compose.yml ファイルを開いて、ポート番号の左側を変更します:
# 変更前
ports:
- 80:80 # Webサーバー
- 3306:3306 # MySQL
# 変更後(例)
ports:
- 8080:80 # Webサーバーを8080番に変更
- 3307:3306 # MySQLを3307番に変更
変更後は http://localhost:8080 でアクセスします。
docker compose down してから docker compose up -d で再起動してください。
❌ トラブル2:Docker Desktopが起動していない
エラー例:
Cannot connect to the Docker daemon
Is the docker daemon running?
原因:
Docker Desktop が起動していない、またはDockerサービスが停止している。
解決方法:
- 1. アプリケーションフォルダから「Docker Desktop」を起動
- 2. メニューバーにDockerアイコンが表示されるまで待つ
- 3. アイコンをクリックして「Docker Desktop is running」と表示されることを確認
- 4. 再度
docker compose up -dを実行
💡 開発時は、Docker Desktopを自動起動するように設定しておくと便利です。
❌ トラブル3:.envファイルの設定が間違っている
エラー例:
SQLSTATE[HY000] [2002] Connection refused
SQLSTATE[HY000] [1045] Access denied for user
原因:
src/.env のデータベース接続情報が、docker-compose.yml で定義した値と一致していない。
解決方法:
src/.env ファイルを開いて、以下の値を確認・修正します:
DB_CONNECTION=mysql
DB_HOST=db # コンテナ名と一致させる
DB_PORT=3306 # コンテナ内部のポート
DB_DATABASE=laravel
DB_USERNAME=udemy123
DB_PASSWORD=pass123
修正後は必ず docker compose down -v → docker compose up -d
で再起動してください。
❌ トラブル4:docker compose down -v を実行していない
症状:
設定を変更したのに反映されない、古いデータベースの状態が残っている。
原因:
Dockerのボリューム(データを保存する領域)に古い設定やデータが残っている。
docker compose down だけでは、ボリュームは削除されません。
解決方法:
-v オプションを付けてボリュームも削除します:
# ボリュームも含めて完全に削除
docker compose down -v
# 再起動
docker compose up -d
# appコンテナに入る
docker compose exec app bash
# マイグレーションを再実行
php artisan migrate
⚠️ -v オプションを使うとデータベースの内容も削除されます。本番環境では絶対に使用しないでください。
Sequel AceでMySQLに接続する
データベースクライアントツールを使って、MySQLに接続してみましょう。
ステップ7でインストールした Sequel Ace を使用します。
Sequel Aceを起動
アプリケーションフォルダから Sequel Ace を起動します。
接続情報を入力
「新規接続」で以下の情報を入力します:
| 名前: | Laravel Project(任意の名前) |
| ホスト: | 127.0.0.1 または localhost |
| ユーザ名: | udemy123 |
| パスワード: | pass123 |
| データベース: | laravel |
| ポート: | 3306 (変更した場合はその番号) |
💡 これらの値は、src/.env ファイルに記載されている内容と一致します。
接続テスト
「接続をテスト」ボタンをクリックして、接続が成功することを確認します。
成功したら「接続」ボタンをクリックしてデータベースに接続します。
データベースの確認
接続できたら、以下を確認してみましょう:
- 左側のサイドバーで「laravel」データベースを選択
- マイグレーションで作成されたテーブル(users, migrations など)が表示される
- テーブルをクリックすると、中身を確認・編集できる
✅ テーブルが表示されれば、データベース接続は成功です!
接続できない場合のチェックポイント:
- □ Docker Desktop が起動しているか
- □
docker compose psでコンテナが起動しているか確認 - □ ポート番号を変更していないか(変更した場合はその番号を使用)
- □ ユーザー名・パスワードが正しいか
- □ ファイアウォールやセキュリティソフトがブロックしていないか
次のステップ
環境構築とプロジェクトの立ち上げが完了しました!
次の章では、Laravel について詳しく学んでいきます。